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内容紹介
肝臓は人体で最大の臓器でありながら「沈黙の臓器」といわれるほど我慢強い臓器。多少異常があっても自覚症状がほとんどないため、健康診断で肝機能障害と指摘されても放置してしまい、重大な病気に進行する人が少なくありません。肝臓の病気で最近特に注目されているのが、肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」です。なんと日本人の3人に1人は「脂肪肝」という報告もあり、今や隠れた国民病といわれています。脂肪肝は放置すれば怖い肝硬変や肝臓がんに進行する疾患ですが、早期に食事や生活習慣を見直すことで驚くほどの改善が期待できます。
脂肪肝の主な原因は飲酒や肥満ですが、いきなり断酒やつらいダイエットに取り組むのは大変です。そこで本書では、急な断酒ではなく「まずは節酒から」を推奨。きつい食事療法やつらい運動なしに肝臓から脂肪を落とす食べ方や飲み方について、肝臓病の名医がさまざまなメソッドを伝授します。
また、最近世界的に急増して問題になっている、お酒を飲まなくても脂肪肝になる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/MAFLD/MASLD)や非アルコール性脂肪肝炎(NASH/MASH)についても解説。そのほか、健康診断で目にするけれど実はその意味がよくわからないγ-GTPやALT(GPT)、AST(GOT)などの肝機能の検査値の読み方から肝機能が強まる生活術まで、肝臓のセルフケアを幅広く網羅した一冊です。
著者について
1980年、慶應義塾大学医学部卒業。1985年、同大学院医学研究科修了。米国ニューヨーク市立大学マウントサイナイ医学部内科Research fellow、慶應義塾大学医学部消化器内科助手、都立広尾病院内科医長・内視鏡科科長、慶應義塾大学医学部消化器内科専任講師を経て、2005年に慶應義塾大学看護医療学部教授に就任。2021年より上智大学グリーフケア研究所客員所員、エムオーエー高輪クリニック院長。主な専門領域は内科学、消化器内科学、肝臓病学、アルコール性臓器障害。1992年から「肝臓病教室」を開くなど、患者さん目線に立った医療への道を模索し、社会や市民への発信にも力を入れている。日本内科学会、日本消化器病学会、日本肝臓学会などに所属。『患者の生き方 よりよい医療と人生の「患者学」のすすめ』『患者の力 患者学で見つけた医療の新しい姿』(春秋社)、『脂肪肝・NASH・アルコール性肝炎の安心ごはん』『慢性肝炎・肝硬変の安心ごはん』(女子栄養大出版部)など著書・監修書多数。